『鮎釣りにおける共存共栄?』

 2008年の幕開けとなりました。時期的には鮎釣りのシーズンまでは まだ3ヶ月もありますが、鮎師の皆さんは一日千秋の想いで鮎解禁のその日を待ちこがれていることと思います。という私も待ちこがれている一人ですが、まだ解禁まで時間がある昨今、鮎釣りと鮎師について考えてみました。

私は鮎師との交流が多く、釣友の住所も東北・関東・北陸・関西など多岐のエリアに及んでいます。
そんな中で、大河川のトロ場を愛する人・一歩間違えば命さえも落としかねそうな激流を愛する人・はたまたクルブシが見えるほどの小河川のチャラ場が好きな人など、一言に鮎師といってもお付き合いしている友達にはいろいろなタイプの方がいらっしゃ います。

そういう私は欲張りなモンで、トロ場・激流・チャラ場など全てが好きです。その日の川の状態もさることながら「気のあった釣友と楽しい一日を過ごせたらいいなぁ」が私の優先順位のダントツ一位です。

でも、鮎師の中には激流などの、とにかく人が立ちこめない場所に入って大鮎と格闘するのを醍醐味とする人や、小河川の泳がせ釣りで釣れにくい鮎を釣りことに情熱を傾けている人など、それぞれを信条として 激流やチャラ瀬のその道を極めようとして努力している鮎師の熱心さには頭が下がる思いです。

しかし、自分の好きなポイントや釣り方への情熱や執着が強いあまり、他の人に攻撃的になったり小馬鹿にしたような言動を見せる人は、たとえ釣技がもの凄くうまくても私の中の名人ランクでは最下位を超してマイナス点をつけざるを得ません。

また、地元の河川を愛するがあまり?なのか、県外の釣り人をヨソ者扱いして、なにか地元だけが許されるようなローカルルール的な風潮を作り出す釣り人にも閉口させられます。ご自身が他の釣り場に行ったときにこういう扱いを受けたらどう思うか?を基準に、周囲との関わり合いを考えてもらいたいものですね。

これらは河川によるものではなく、その人の考え方に起因する問題ですが、鮎師それぞれの鮎への価値観の違いを認識できない鮎師は、釣りという行為だけの話ではなく、人間的にも器の狭い人であろうと推測できます。

それぞれの鮎師の鮎への想いは前述しましたが、昔ほどの豊かな水量は現在どの河川にもありません。ということは物理的にも川は年々小さくなりました。それに反して鮎師の人口は、関東などの河川は特に超過密状態です。そんな中で価値観が違う鮎師が周囲の鮎師の人たちとともに楽しむためにはお互いを認め合うことから始まるのではないでしょうか?

全国の激流隊を束ねる激流隊総帥、上野昇氏の出会いが私の鮎師としての考え方に見事な方向付けをしてくれました。
私の所属する関東激流隊でも超激流をこなす人からチャラ瀬を愛する人まで多種多様な鮎師がいますが、上野総帥は言います。

「激流隊という名前だから単純に何でも激流をと言うのではありません。それぞれの釣り師が物心両面に渡って自分自身の限界(それを激流という表現であらわしています)に挑むその課程で、体力を増強させたり鮎釣り道具などの改良など自分なりの楽しみ方で鮎釣りをエンジョイするのがいいと思う。
激流隊の目的は、釣り場でいがみ合いながら釣るのでなはく、仲良く楽しく釣ることにあるんです。激流隊のステッカーやグッズを持っている人に出会ったら、お互いに声を掛けやすく親しみが沸くでしょう!だから激流隊はみんながそれぞれ隊長で、会長も会員もないんだよ。なんとか会や何とかクラブなんていう組織ではありません。従って上下の関係や会費や会則なんていらないんだ。要はみんなが楽しく鮎釣りをするための激流隊なんだから」

最近は単純に「激流隊」というネーミングだけが先行し、何が何でも激流・荒瀬!なんて単純に考えている人がいるとしたら、これは間違いです。「激流隊」とは、周囲の皆さんと同じ趣味を謳歌しながら、あなたの心の中の激流にチャレンジする精神をも兼ね備えてほしいという心意気からのネーミングなのですから。

最近、九頭竜の三谷さんや川上さんたちの有志たちが集まり、「九頭竜激流隊」を誕生させました。鮎釣りに遠征する先々の仲間たちが同じ思いを胸に共に竿を出すのは非常に楽しいことです。今年も皆さんで楽しい鮎釣りをしようではありませんか!

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