6月2日、アユ解禁。群馬:神流川(南甘漁協管内)


 解禁…なんてすばらしい響きでしょう!待ちに待った解禁です。場所は関東一水がきれいと言われている神流川。
神流川って、知らない人は神様が流れるほどの大きな川って連想されるかもしれませんが、群馬県の山間を流れる谷川の清流で、トロと瀬がはっきりしていて間違ってもここで流れるのは大変なくらい小さな川なのです。(激流隊の上野隊長などは間違っても来ないくらい膝下の深さの釣り場です。)

 

と、前置きは置いて、解禁前夜、そんな川を目指して街灯もほとんどない漆黒の闇の中、あの航空機事故で有名になった上野村の御巣鷹山の近くの峠をひた走ります。我が家から約1時間半。やっと神流川に到着 しました。

 道路から下の川を見渡すと、まだ解禁前日の夜10時頃なのに空いている場所を探すのが大変なくらいにアユ師の車でいっぱいです。
やっとの事で河原に空いている場所を発見して四駆でなければ絶対に入れない狭いダートを下り、なんとか今夜のビバーク場所を確保しました。

 その後、松本君と田中さんと合流。10ヶ月ぶりで夜の河原での宴がはじまりました。初対面の田中さんは最初65歳ぐらいの方かな?と思っていましたら第二次世界大戦の話が始まり御歳72歳とのこと。永年、生きてこられた人生の中で怖かった話や病気の話、そしてちょっぴりお色気話など、私たちはいつしか田中さんの話に夢中になっていました。釣りの話もいいのですが、豊富な人生での体験談はさすが圧巻です!
途中、サンビームの吉原店長より皆んなのケイタイにそれぞれ激励メールが入りました。店長は仕事で忙しく留守番なのに、みんなを気遣う気持ちがうれしいね。


気がつけば周りのテントもいつしか灯りを落として就寝に入った様子。俺たちも明日の豊漁を夢見てお休みなさい…って、その4時間後、もう皆んな起き出してモゾモゾゴソゴソです。まだ人の判別も着かないぐらいの闇のなか、各自、前もって狙っていたポイントに散って行きました。

 そんななか、最後に残ったのは俺たちのグループ。とりあえず朝飯にしますかぁ…。
「どこに入る?」「その辺でいいんじゃない」と、闘争心は全くない、ただの群れアユ状態です。それでも5時頃に空いている場所に収まり、なんとか竿を出すことができました。

 で、どうよ。このカッコ。釣りの腕や場所にこだわらない俺たちの解禁当初の楽しみは釣りのファッションショー!
歳を重ねるごとに年々派手になっていくコスチュームです。狩野さんや俺も赤いチャンチャンコを贈られる歳に近づいてきました。
ファッション自慢も飽きて水温も上がり始めた九時過ぎ、そろそろ本気モードに突入です。


見てくださいこの勇姿。ちなみに俺はシマノの小太刀を使い初めなのだぁ〜!!

 
俺の持っている竿は(両方とも?)短いんで立ち込んじゃいます!by kano?

淵に流れ込む場所でやっとの思いで一匹ゲット!15cmぐらいのチビアユですがオトリが野アユに変われば状況は一変します。
「行けーぃ!」とオトリ鮎に号令を掛けるまでもなく、少しオバセを取ってあげると勢いよく瀬の中に入って行き、すぐにガガがーんと18cmぐらいのおにいさんアユを連れてきてくれました。「ほぉれ見ろぃ!俺って天才!!」

 すっかり気をよくしてまたもや瀬に送り込むと立て続けにヒットです。この勢いで4,5匹、入れ掛かりを楽しんでいたら上の瀬から以前の俺みたいなカッコをした奴が釣り下って来て、俺のオトリがいる俺の正面あたりまでオトリを流してきます。

「オイオイ、そんなに近づけたらお祭りしちゃうジャン」と思った瞬間、俺の目印がへんな動きを見せました。あれーっ、「ほーら、お祭りししちゃったぁ…」

 
ここで釣っていたら上流から攻められました。

 「しょうがないなぁ」と思いながら上の釣り師に声を掛けようとしたら、なんと上の釣り師はタモアミを持って引き抜きの体制になってます。
「えーっ、その掛かったアユは俺のオトリだってばぁ!」
しかし、夢中になっているらしく俺の声は相手に届かず、釣り師は真剣切って竿を立てて取り込みの体制…と、次の瞬間、二匹のアユは抜かれ、上の釣り師のタモアミの中にきれいに収まっていました。

「アンちゃん。引き抜き、上手だね!」とエールを贈ってあげたいほどの引き抜きの腕、できたら野アユを掛ける方にそのテクニックを回してもらいたいものです。でも、友好的なボク、すかさず駆け寄り、「すみません、今釣ったアユ、俺のオトリなんですが…。」
すると、その釣り師、「あれっ」ていう表情で、タモの中の掛かりアユを見ると「本当だ!」って表情です。
ハナカンを外して一瞬、自分のフネの中に入れちゃうんじゃないかと心配しましたが無事返してくれました。(これって釣られると、たとえオトリでも相手のものになってしまうのかな?って一瞬心配しましたよ。)

で次の言葉、謝ると思いきや、「オトリが掛かるようじゃ、ここには、もうアユはいないね」だって。
思わず相づちを打ったけど、照れ隠しだったのかなぁ…(*^_^*)

十時を過ぎると、さすがに釣れている人は残るけれど釣れない人は場所の移動や早お昼で釣り場は結構すいてきました。
俺たちはと言うと、 一応、アユ師二十余年。培った眼力は衰えていません。人の釣り残しのアユを拾って着実に釣果を伸ばしていきます。見よ、狩野さんのこの華麗な取り込みを…。

12時頃になるとフネの中はアユでいっぱいです(*^_^*) 狩野さん、そろそろお昼にしましょうか。
コンビニで買ったオムスビ食べてアサヒスーパードライで乾杯してると松本君も帰ってきて後はいつもの釣り談義!
「田中さんはどうしたの?」って聞いたら、かなり爆釣しているとのこと。田中さんは結局、お昼には来ませんでした。後で聞いたら、「混んでて竿の林立で川を対岸からこちらに渡ってこられなかった 」とのことです。だけど釣果はダントツの四十匹!やったね。

お昼の後はお昼寝タイム!みんな昨日の疲れも出たのかすぐにグーグー…。周りの人たちは血眼になって釣っているのに俺たちゃホリデーを満喫していました。

午後もそれなりに健闘し、日もだいぶ傾いてきました。そろそろあがろうかぁ。 で、最終的な釣果はというと15尾から40尾で、釣り頭は田中さんの40尾!

 
みんな、健闘しましたね。

 

派手なコスチュームで釣る俺たちの姿は、まるで山間の谷川に咲いた可憐な花のようでした。(きれいにまとめ過ぎかな??)

以上、お疲れ様でした!

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